東名あおり運転事故・東名高速夫婦死亡事故のまとめ

2017年6月5日午後9時35分ごろ、神奈川県足柄上郡大井町の東名高速下り線(中井PA-大井松田IC間)で、追い越し車線に乗用車2台続いて停車していたところに、大型トラックが追突し夫婦2人が死亡し、加害者含む4人が重軽傷を負った東名あおり運転事故の詳細についてのまとめを紹介。

事件概要

事故の発端は、被害者の男性(夫/父親)が中井パーキングエリア(事故手間の下り線のPA)で、加害者車両(ホンダ・ストリーム)が所定の駐車場以外の場所に駐車していたことに対し、加害者に直接口頭で注意したことから始まった。

注意後、被害者車両(トヨタ・ハイエース)は高速道路へ出たが、加害者は注意を受けたことに逆上し追跡。加害者車両は、被害者車両の前に出てあおり運転(進路塞ぎ、減速させる行為、進路変更)を約1.4kmの間に計4回繰り返し、最終的には追い越し車線上に被害者車両を強制停車させた。加害者の男と女が車から出てきて、男が注意されたことに抗議。さらに、エスカレートした男は、被害者男性の胸ぐら掴んだり、車から引きずりだそうとした。

この行為に加害者の車に同乗していた女は、男の腰を引っ張るなどして冷静になるよう説得し自分の車に戻るも、そこから間もなくして、後ろから来た大型トラックが被害者車両に追突するという死傷事故が起きた(停車後約2分後に起きた)。

この事故で、被害者車両に乗っていた夫婦が死亡、加害者除く3人が負傷した。

東名高速あおり運転の加害者

東名あおり運転事故を引き起こした加害者の名前は、福岡県中間市扇ケ浦・石橋和歩被告(当時:容疑者)(当時:25)。

石橋被告は、東名あおり運転事故の前後にもあおり運転や事件を起こしている。

1.2017年5月8日、山口県下関市内の道路上で、自車を追い抜いた車に対し、執拗にパッシングやクラクション、進路妨害といったあおり運転を繰り返し行い、相手車両を強制停車させて、フロントガラスを手で叩くなどの恫喝をしている。(強要未遂罪)
2.2017年5月9日、山口県下関市内の国道で、車の運転席ドアを3回足蹴りして凹ませるなどして損壊(器物損壊罪)。
3.2017年8月21日、山口県山口市の道路上で、自車を追い抜いた車に対し、車線変更、幅寄せ、減速などのあおり運転を行い、相手の車のドアを手で叩くなどした。また、「降りてこい」「出てこい」と恫喝している(強要未遂罪)。

追突した大型トラックの運転手

追突した大型トラック運転手の男性は、17年10月12日付で自動車運転過失致死傷容疑で書類送検されるも、18年1月5日までに不起訴処分となった。

どのような捜査だったのか

神奈川県警は、逮捕前の捜査当初は【危険運転致死傷容疑】を視野に入れて行っていたが、現法では【事故時に同容疑者の車は停車していた】ことから、運転するという行為が対象の罪では適用が困難と判断し断念。そのため、自動車運転過失致傷容疑で捜査を開始。

県警は、死亡した夫婦の娘2人などから事情聴取。さらに、事故当日を走行していた車両約260台を割り出し【断片的な目撃情報】【回収したドライブレコーダーの映像】などを基に、石橋被告があおり運転の末に事故を誘発させたと断定し、2017年10月10日に、石橋和歩被告を自動車運転過失致死容疑で逮捕した。

逮捕前、石橋被告は「夫婦に煽られたり、パッシングされたりしたため停車した」などと虚偽の説明をしていたが、娘2人から「父親が注意をしたら追いかけられ、何回も進路を塞がれて停車させられた」と証言。また、目撃情報やドライブレコーダーの記録などから石橋被告が虚偽の説明と判断した。

裁判の経過

● 1回目公判:2018年12月3日、横浜地裁で裁判員裁判初公判が開かれる。石橋被告は、罪状認否で起訴事実を大筋で認めるも一部否認。弁護人からは「停車後に事故が発生したため危険運転致死傷罪は適用できない。停車時間が短く監禁に当たらなく、監禁の意図もない」として死亡事故に対して無罪を主張した。
※検察側は、危険運転致死傷が認められない場合に備えて(予備的訴因)、監禁致死傷罪を追加している。
● 2回目公判:同年12月4日、被疑者夫婦の長女の証人尋問が行われた。
● 3回目公判:同年12月5日、被告人質問が行われ、被告人は高速道路上で被害者の車を強制的に停車させた事実を認め、謝罪の言葉を述べた。
● 4回目の公判:同年12月6日、東名あおり運転事故前後に山口県内で起きたあおり運転関連で起こした起訴事件3件を審理。
● 5回目の公判:同年12月7日、証人尋問で石橋被告の元交際相手の女性が出廷。女性は「逮捕されるまでに交通トラブルを10回以上起こしている」などと証言した。

● 検察側求刑:同年12月10日、横浜地裁で検察側は「危険運転致死傷罪が成立する」と主張し、石橋被告に懲役23年を求刑。弁護人は最終弁論で「不運な事情が重なった。刑事責任は器物損壊罪などに留まる」と危険運転致死傷罪については、無罪を主張した上で執行猶予付きの判決を求めた。
● 判決:同年12月14日、横浜地裁は「被害者の車両を停車させた行為に関しては、危険運転致死傷罪が成立する」と認定して、石橋被告に懲役18年の判決を言い渡した。
● 控訴:同年12月21日:弁護人が第一審の懲役18年の判決が不服として東京高等裁判所に控訴。28日までに横浜地裁が東京高等裁判所に控訴しなかったため、懲役18年より重い量刑の判決が言い渡されることがなくなった。

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